色の治癒力について|ニュースレターNO.098


 

著者:伊藤 出パーソナルトレーナー / IDEALSTYLE代表

パーソナルトレーナー歴11年|元三笠宮寛仁親王殿下のパーソナルトレーナーであった魚住廣信名誉教授に師事|指導経歴:宝塚歌劇団員・三菱重工神戸野球部員・ボクシングミニマム級5位など|アスリートフードマイスター&元板前。

●Twitter ●YouTube ●無料勉強会のお申込        
 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

先月モスクワから帰って、1日おいて札幌でのUHPCのクリニックに出かけました。2日間のクリニックの後、友人のいる帯広に移動し、中学の先生方に陸上のミニクリニックを行ったりと、バタバタの6月でした。あっという間に次のニュースレターになりました。

実は、春頃に書こうと思っていた事があります。昔から興味があったことですが、色の魔力について皆さんはどのようにお考えでしょうか。

随分前になりますが、トレーニングジャーナルに「スポーツ色彩学」なるものが連載で取り上げられた事があります(1990年12月~91年6月)。記憶されている方がおられるでしょうか。各号のタイトルは以下のようなものでした。

 
1.“色”の役割
2.“色”を読む
3.ハードルと“色”
4.ユニフォームと“色”
5.色彩と投手のコントロール能力
6.動体視力と“色”

特に最近は、ユニフォームがカラフルになっただけでなく、サッカーボールやバレーボール、またピン球に於いてもカラフルなものが見られるようになりました。

以前、高校の女子バレーボールのトレーニングにおいて、技術向上のためにボールに色をつけて使わせていたら、知らないあいだに公式球にカラーボールが使われるようになっていました。ひょとすると、それはカラフルさだけが目的であったのかもしれませんが。

色にはいろんな力があり、医学的には治療にも用いられています。競技においては、例えば、陸上競技のトラックの色をブルーにすると記録が上がるという報告があったり、的の色やグラブの色をブルーに替えると、的中率やコントロールがよくなるとも言われています。色の特徴を知ることによって、いろんな道具などに活用することで、いろんな効果が引き出せるかもしれません。

そんな色についてまとめられた本があります。野村順一著「色彩生命論」(住宅新報社1996)という本です。その中から色の特徴についてまとめてみました。もっと詳しいことを知りたい方は、この本をご覧下さい。参考になると思います。また、上記のトレーニングジャーナルも参考にして下さい。いろいろ応用編を見つけ出すことができるはずです。

 

赤の特徴

①赤は火の元素。火は生きものにとって重要。火なくば寒気があらゆるものをしびれさせる。熱がなければ運動も活動も不可能。赤が大量に、また頻繁に使われると発熱し消耗する。たいていは青色光を併用する。
②赤は神経や血液を刺激しかつ興奮させる。
③赤は感覚系神経を刺激する。それゆえ、嗅覚、視覚、聴覚、味覚、それに触覚の欠陥を補う。
④赤は血液の循環を促進し、脳脊髄液や交感神経系を興奮させる。
⑤赤はヘモグロビンの形成者。血球を生じさせて血液を増やす。
⑥赤色光は体を活性化させ、精力を注入する熱を生じさせ。
⑦赤は肝臓を活発にする。
⑧赤は筋肉系と大脳の左半球に有益。
⑨赤は反対刺激剤で、赤の熱は収縮した筋肉に有効。
⑩赤色光は体内の塩を分解し、イオン化の触媒として作用する。イオン化のプロセスがなければ、何一つとして体に吸収できない。これらのイオンが体に取り込む電磁波エネルギーの運び手となっている。
⑪赤は鉄分を含んだ塩を鉄と塩に分離し、赤血球に鉄が吸収され、塩は肝臓や皮膚から排出される。
⑫赤色光は熱を発散し、粘液の他うっ血をきれいにする。
⑬赤は老眼や遠視に有効。
⑭赤色光は体温を調整し、内分泌系に影響を及ぼす。内分泌系では赤色光が体の急所に働きかける。それも物理的、感情的、精神的に作用する。

 

黄の特徴

①黄は神経と脳に優れた効力を発揮し、運動興奮剤でまた神経生成剤。
②黄色光は神経を力づけ、脳の働きを助けるためプラスの電流を伝える。
③黄は肝臓、腸、皮膚の刺激剤、浄化剤、排泄剤の働きをして、さらに消化を促す。
④黄は血流を浄化し、リンパ系を活性化する。
⑤黄は脾臓の鎮静剤で、下剤、駆虫剤。
⑥黄は気落ち、憂欝な症状に心理的に有効。むかし黄は生命に生気を与える色であった。黄は喜び、快活、大笑いを暗示する。黄は理性の色というより知性の色。

 

緑の特徴

①緑は酸性でもなくアルカリ性でもないが、有効に活用できる。
②緑は物理的に精神的に涼しく、鎮静的で、穏やかなもの。疲れた人には何よりも緑が有効だが、しばらくするとうんざりする。
③緑は交感神経系に作用し、血管の緊張を解消し、血圧を降下させる。
④緑は毛細管を膨張させ、暖かさの感覚を生じさせる。
⑤緑は感情的安定剤となり、下垂体興奮剤。
⑥緑は鎮静剤として神経系に働き、不眠症、疲労、過敏性を助ける。
⑦緑はビタミンB1の色彩と思われている。
⑧緑は筋肉と組織をつくる。
⑨緑は催淫剤となり性の強壮剤。
⑩緑は消毒剤、殺菌剤、防腐剤、さらに細菌の殺菌剤になる。
⑪緑は心理的効果がある。
a.緑は感情を鎮静させ、感情的不安には緑で対処する。
b.緑は体をくつろがせ、平静にさせる。
c.緑はエネルギー、若さ、成長、未熟、繁殖力、希望、新生活の色彩。
d.緑は羨望、やきもち、迷信の色彩。
⑫緑は窒素の色で、窒素は大気の主成分-大気の78.09%を占める。
⑬緑は筋肉、骨、その他の組織細胞をつくる。

 

青の特徴

①青は最も冷たい色であり、空間では後退し、凍結させ、結晶させる。その効き目は鎮静力であり、またリラックスさせる。
②青は落ち着きを促進するが、エネルギーの包含と増強を促し、回復力の色となって体重を増加させる。
③青は閉所恐怖症を治癒させ、悪夢を軽減し、ヒステリーの症状を静める。
④青は独立心と客観性を助長するので、自制がもっと要求されるとき青を使う。
⑤境遇に反発する人や、自己充実をより必要とする人、外部の影響にくよくよしない人にも有益。
⑥青は反応が遅いフィーリングを持っているため、厭世観やひどいスランブ状態に陥っている人を徐々に悪化させる。
⑦極端な守勢に立っている人にとってよくない。
⑧青はすこぶる重要な色で、生理的には下垂体に相当する。
⑨その冷たい性質で赤の対抗手段となり、発熱の抑制に使われ、火傷を癒し、生体に酸素を吸入させる。
⑩どんなものでも生体が吸収する場所に青色光を照射すると、その吸収率が増大する。
⑪運動神経の鎮静剤として脈拍を静め、苦痛を和らげる効果もある。
⑫肺の鎮静剤として体温を低め、さらに感染や炎症を治すが、便秘症に青を使ってはいけない。
⑬青は最高の消毒剤。肺の出血を止めることができる。熱を取り、肌のヒリヒリを治し、喉頭炎、しわがれ声、赤痢、黄疸、切り傷、火傷、打ち傷、婦人病、激しいリューマチを治す。

 

紫の特徴

①紫は脾臓を促進する。
②紫は運動神経とリンパ腺の抑制剤。
③紫は心臓の抑制剤。
④紫は脳の血液を養う。
⑤紫は血液を浄化し、白血球のつくり手。
⑥紫は体のカリウムとナトリウムのバランスを維持する(腫瘍はカリウム媒体で成長しない)。
⑦紫は骨の発育に有効。
⑧紫は心理的な効果がある(ひどい精神異常を鎮静し、克服する。過敏症を正気に戻し、極度の飢えもコントロールする)。
a.紫は霊感を与える精神的な色。レオナルド・ダ・ヴィンチは「静かな教会のステンドグラスを通して紫色光照射を受けると、瞑想力は10倍になる」という。
b.紫は治癒力を持つ色。コムテ・聖ゲルマインは紫色光で癒した。東洋の哲学では紫が頭脳の中枢の統治者であり、千の花弁をもつハスと呼ばれている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*